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2月・如月、娘が帰ってきて逗留一週間。
高熱を出して一週間。
久々に癒えて、天気も上々。でも頭は一向に働かず文章も浮かんできません。
菜の花は観賞せずにおひたしにして食べていますが、色彩の美しい詩をご紹介します。
明るい春の海でもながめたら気分がすっきりするかもしれないなどと思いながら。
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春の岬に来て 三越左千夫
潮騒が歌うように話しかけてくる
菜の花が風にゆすられて
うなずきながら聞いている
海の見える丘の畑は光がいっぱい
やわらかな光に祝福されて
花のなかにすわっていると
心が黄色くそまってくる
青い海に瞳があらわれる
明るい春の岬のながめは
御馳走のうちのひとつだ
潮の風と花の匂いにつつまれて
いっそう心がふくらむ
心をふくらませているのは
旅のわたしたちばかりではない
バレリーナーの蝶も縞模様の蜂たちも
春のパーティに酔っている |
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